
参画企業による各界の専門領域に関わる研究をご紹介!
最高のコンディションと、パフォーマンスを発揮するために必要なこととは!?
【パネルディスカッション】日本人の3割のパフォーマンスはなぜ眠っているのか?
『実務者と考える“従業員が本気になる”働き方改革』
働き方改革実務担当者の皆さん
働き方改革の担当者を対象に行ったアンケートの結果、働き方改革を進める上での課題の上位に、「従業員の取り組み意識の低さ」が挙げられています。働く人も組織も元気になるためには、それぞれが『いいはたらく』とは何かを考え、実践することが大切ですが、「取り組み意識の低さ」はスタートラインに立つ以前の課題といえます。
そこで、FROM PLAYERS主催のイベント『PLAYERS DAY いいはたらくってなんだろう。の日』に、働き手の視点を大切にしながら働き方改革に取り組む企業の実務担当者の皆様をお招きして、これからの働き方を考えるパネルディスカッションを行いました。登壇者は 株式会社CRAZY 乾 将豪さん(経営企画室 採用責任者)、全日本空輸株式会社 高野 弘樹さん(人財戦略室 人事部 ANA‘s Way推進チームリーダー)、株式会社電通 日比 昭道さん(第3CRプラニング局 コミュニケーションプランナー)の3名です。
約1時間半に及ぶパネルディスカッションで、従業員の皆さんが本気で働き方改革に取り組みたくなるヒントがたくさん見つかりました。今回はその一部をご紹介します!
株式会社CRAZY 乾 将豪さん
CRAZYはウェディングのプロデュースや法人コンサルを行う会社で、「世界で最も個人と法人の人生を祝う企業」をヴィジョンに掲げ、経営上の優先課題としてビジネスに関する項目より上位に、従業員の健康と人間関係を挙げています。心身健康で人間関係が良ければ自然と活力が沸いてきて、良い仕事ができるという考え方です。そのために、毎日みんなで毎自然食のランチを作って食べたり、あえて職場の中で感情を共有する場を設けたりするなどの取り組みを行っています。また、昨年から「睡眠報酬制度」というのを導入しました。毎日6時間の睡眠をとると社内のカフェで使えるポイントがもらえる、という制度です。睡眠を大切にすることで体調がよくなって仕事がはかどったり、睡眠を確保するために仕事の段取りを考えるようになって仕事全体の効率が上がったりと、みんな効果を実感しています。
全日本空輸株式会社 高野 弘樹さん
ANAは行動指針に「努力と挑戦」を掲げており、とにかく「一所懸命がんばる(働く)」という社風があると思います。そうした中、数年前よりワークとライフの質の向上を図るべく、働き方改革に取り組んできています。その象徴的な取り組みとして、2015年からは「テレワーク」の活用促進に重点的に取り組みました。本気度を伝えるため、社長メッセージを発信するとともに、人事担当者が各職場を回って徹底的に対話をしました。大切にしたのは、テレワークを促進する目的や意義をロジカルかつ熱意をもって伝えること。会社としてどんな成果を期待しているか。導入後も軌道に乗るまでは、各職場と粘り強く対話を続けました。現在は、デスクワーカーの7割を超える社員が活用していますが課題もあります。各組織や個人が抱える課題はまちまちですが、一緒に考えることで、必ず答えは見出せると確信しています。テレワークがもたらすポテンシャルを感じており、まだ引き出せていない領域があると感じています。さらなる活用促進を進め、ANAグループらしい働き方を築き、カルチャーとして根付かせていくことが大事だと思います。
株式会社電通 日比 昭道さん
労働環境改革が始まって以来、2年で16のプロジェクト、計250の施策を展開しています。私が担当しているのは健康経営プロジェクトですが、社員の目線で自分ごととして捉えてもらうために、途中で「バイタリティ・デザイン・プロジェクト」と名前を変えました。元々いい仕事をするために無理をする体質の会社だったので「バイタリティの高い状態とはなにか」「がむしゃらにがんばることは違う」というようなことを丁寧に伝えました。また、忙しい中でも自分のコンディションを意識してもらうために、毎日3秒で答えられるアンケートを実施していますが、その調査でわかったバイタリティの高い組織とそうでない組織の違いと、ヒアリングでわかった暗黙知を全社に共有しています。このような施策の展開にあたっては、「読みたくなるデザイン」「参加したくなるエッセンス」を意識しています。
後半は現場の担当者が最も苦労する「従業員の巻きこみかた」についてディスカッションを行いました。働く人自身がやらされ感なく、前向きに取り組んでもらうためにはどうすればよいのか。
お尋ねすると、お3方ともにはじめから上手く行ったわけではなく、苦労して従業員の皆さんに「本気になってもらう方法」を考えたとのことでした。そのコツとして以下のようなヒントをいただきました。
・人は論理では動かないので、感情を大切にしている。睡眠報酬制度ではポイント上位者を表彰するのだが、ランキングの上位に社長や新入社員が入っていると、社長の本気度も伝わるし、「社長が一番寝ているのか?」「新入社員には負けられない!」などと盛り上がり、参加率が高まった。(乾さん)
・大切なのは、前向きに自分の働き方を考えてもらうこと。また、この時代だからこそ大事にしたいことの中に「手で書く」という行為があると思っている。そこで、あえて紙のノートを全従業員に配布して、手書きで「自分自身の価値観・大事にしていること・理想の働き方」等を書いてもらうワークショップを実施している。(高野さん)
・働き方を変えるためにオフィスをリニューアルした時に、運営の中に「ライブラリの本を選ぶ係」「グリーンを選ぶ係」「おやつを選ぶ係」等、みんなが関われる部分を作って、自分ごと化してもらえるようにしている。(日比さん)
働き方改革の最前線で活躍する皆さんのお話には、試行錯誤を重ねた結果ならではのノウハウや実感がふんだんにちりばめられていて、とても説得力があり、続くワークショップが大いに活性化したのを感じました。また、「働き手目線」でいいはたらくを作り、発信するFROM PLAYERSとしても学びの多いディスカッションでした。
企業横断型プロジェクト「FROM PLAYERS」では、“いいはたらくとは何か?”をテーマに、研究、実践、支援、啓発などの活動を行っています。
- 自社の働き方改革の課題を把握したい。
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- 課題抽出~分析~施策立案~実行までワンストップで見て欲しい
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八木 佳子
